知的なことをしなくちゃと思うのですが、怠け者でして…。


by nemo2000jp
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか?

先日、図書委員だと思われる三年生から、図書委員会の新聞で紹介したいの
で、先生のお勧めの本を教えてくださいと言われました。
そして勧めたのが『現代倫理学入門』(加藤尚久/講談社学術文庫)でした。

今日は二年生の選択授業があり、この授業は来週をもって最後で、今日と
次の授業で「映像の世紀第5集(第二次世界大戦の映像。ホロコーストな
ど)」を見て、そして最後に統一ドイツ初代大統領であるヴァイツゼッカー
の「過去に目を閉ざすものは、結局のところ、現在にも盲目となる」という
言葉を紹介しようと思っていました。このためにドイツを中心として第一次
世界大戦前からずっと授業をしてきました。

でも、後期の期末テストが終わったばかりなので、みんなやる気がありませ
ん。そこで、先ほどの本に載っていたある命題について考えさせてみました。
それがこの日記のタイトルのものです。これはけっこう刺激的だから面白い
かなと思っていたら、大部分の生徒が、それは許されると答え、自分がその
一人になってもよいと書いてきました。
この話は「サバイバル・ロッタリー」といって、ちょっと前提条件があるの
ですが、中心は、「くじ引きによって選ばれた一人の健康な者の臓器を使い、
10人の病人を救う」というものです。
ある女子生徒は、「自分が犠牲になることを拒否したら、他の10人を見殺し
にすることになる。だから自分はいい人のまま死んでいきたい」みたいなこ
とを書いていました。

思いつきでやってしまった感じではあるのですが、授業時間が余ったらこれ
を題材にして授業をしてみようと思っていたので、こういう反応が出てきて
正直びっくりではあるのですが、あと一回の授業で、考え方をいい方向に
持っていきたいなと思いました。

生命は大切だし何事にも優先されるといったことを言うつもりは全くありま
せん。ただ、こういった問いを見て、直感的にこれはだめだよと思うのが普
通かなとは思う(やはり自分の命は大切なので)ので、その直感で思ったこ
とから考えを進めてほしかったなと思いました。これはだめだという考えが
出てこないのか、本当にいい人なのかはわかりませんが、誰だって殺される
のは嫌です。僕は論理的な人間ではないので、直感で考えて、後から理由付
けをしていきます。
だから、こういった命題が出てきたときに、ちょっと懐疑的に考えて、個人
の生存権よりも「最大多数の最大幸福」が優先されるのかといったことなど
を考えてほしかったなと思いました。
「Xのためならば、それ自体として悪であるようなYをしてもよいのか」とか、
「最大多数の最大幸福」という単一の原則から社会的な仕組みを作っていく
のは正しいことなのかといった切り口で、最後の授業に臨もうと思います。


プリント作りに追われた日々から解放されたと思ったのに、またプリント作
成するはめになり、自業自得ではあるのですが、今回は大人としての責任感
みたいなものがあるので、うまくまとまるように頑張ろうと思います。
[PR]
by nemo2000jp | 2009-03-02 02:36 | 教育